『毎日新聞』高知版2007年6月30日付

県立高知女子大:再編・統合 県議会、造成費を削除 100億円過大と凍結


◇「全体事業費100億円過大」と凍結−−知事「自信持って進める」

県立高知女子大の再編・統合計画について、県議会は29日、全体事業費約100億円は過大として一般会計補正予算案から同大の造成工事費など関連予算約1億900万円を削除する修正案を賛成多数で可決、計画を凍結した。これで09年4月の女子大再編はずれ込む見通しとなったが、橋本大二郎知事は「残念だが、自信を持って事業を進める」と従来の姿勢を堅持する方針を示している。【服部陽】

現在4学部6学科の同女子大を池キャンパス(高知市池)に集約し、4学部4学科に統合する計画。社会科学系学部の新設についての内容はまだ固まっていないが、基本設計などの予算は既に議決され、今月にはキャンパスの整備計画が決まっていた。

同計画を審議した企画建設委員会で、自民、共産、県民クラブの委員が修正案を提出し、賛成多数で可決。この日の本会議でも、自民の一部議員や共産など21人が修正案賛成に回った。採決に先立ち、佐竹紀夫委員長は「財政が厳しい中で優先度が高い事業なのか」「全体構想が見えず、一度立ち止まるべきだ」といった批判意見が続出した一方、「十分議論したので、再編を遅らせるべきでない」と賛否両論があったと、委員会でのやりとりを報告した。

計画凍結を受け、橋本知事は会見。女子大再編に伴う同大看護学部の増員ができなくなると09年3月で廃止される県立総合看護専門学校の受け皿がなくなることから、「拡充が見送りになれば、県民や学生にとって大きな影響が出る。対応策を担当部と検討する」と言及。事業費の確保については「優先順位の高い事業と位置づけ、県民の負託も受けている。厳しくてもやりくりするのが県の務めだ」と話した。