『日本経済新聞』2007年6月26日付

埼玉大や県内経済団体、大学発ベンチャーの設立を支援


埼玉大学(さいたま市、田隅三生学長)と県内の経済団体などが、大学発ベンチャー設立支援に本格的に乗り出した。同大総合研究機構地域共同研究センターが、さいたま商工会議所などと連携。このほど研磨試験などの受託・共同研究を引き受けるベンチャー、河西研磨技術特別研究室(さいたま市)を設立した。大学の持つシーズを起業という形で社会に還元してもらい、地域経済の活性化に役立てる。

産学連携を支援する埼玉大の同センターでは、教授らの蓄積してきた技術やノウハウを生かそうと、創業に興味を持つ人を対象に昨秋から年明けまで講座を開講。今年3月にビジネスプランの評価会を実施した。研磨が専門の河西敏雄名誉教授の事業案を、経済団体などが初めて支援することになった。

新会社は同センター内に置いた。資本金は200万円。研磨や研削などの加工やその周辺技術の研修や指導、技術診断、光学部品や材料の加工・技術の受託研究などを主な事業とする。7月から研磨の実技研修会を開催する予定だ。