『西日本新聞』2007年6月21日付

長崎市と地元3大学連携 産学官協力体制を確立 中小企業振興図る


産学官連携で中小企業振興を図る狙いで、長崎市と長崎大、長崎総合科学大、県立長崎シーボルト大の3大学が20日、連携協定を結んだ。

起業家育成や中小企業の新技術開発を手助けする独立行政法人・中小企業基盤整備機構の施設「ながさき出島インキュベータ」が今秋、同市出島町に開所するのを前に、産学官の協力体制を確立し、地場企業の競争力強化や地域の潜在的な特性を引き出すことを目指す。

連携協定書の調印式には長崎市の田上富久市長と、長崎大の斎藤寛学長、長崎総合科学大の行徳威夫理事長、県立長崎シーボルト大の池田高良学長が出席。田上市長は「長崎の厳しい雇用状況などを解決する基盤づくりのために力を合わせたい」と話し、斎藤学長も「産業振興に限らず、学問や文化など地域活性化に向け市との連携を進めたい」と意気込みを見せた。

長崎市は本年度、中小企業の新製品開発を促すため、産学連携共同研究事業補助事業を創設。大学と中小企業との共同研究を対象に補助金を出す。このほか、市が保有する企業情報や大学が研究開発した技術を企業に提供することで産学官連携を深めたいとしている。