時事通信配信記事 2007年6月14日付

●教育振興計画の中間まとめを延期=中教審部会


中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)特別部会は、これまで検討を重ねてきた教育振興基本計画の中間まとめについて、当初6月をめどとしていた公表時期を遅らせることを決めた。三村明夫部会長は「方向性を出すには時期尚早。もう少し議論を深めてから取りまとめたい」と委員に提案し、了承された。三村部会長は記者団に「意見の幅が広く、まとめるのが難しい」と説明。取りまとめの時期については「例えば9〜10月に公表したい」との意向を明らかにした。

教育振興基本計画は改正教育基本法に基づき、2008年度から5年間を計画期間として教育目標や具体的な施策などを定める。特別部会は07年2月に設置され、三村部会長は6月をめどに中間まとめを公表する意向を示していた。同計画は07年度中に閣議決定される予定。

特別部会が検討するのは、(1)総論(2)教育目標の実現(3)生涯学習(4)家庭や地域との連携―など八つのテーマで、具体的には、▽子どもの学ぶ意欲と学力の向上▽教育費の負担軽減▽私学の振興▽家庭教育支援―といった項目。さらに部活動をはじめとするスポーツや、地域での大学の在り方、学校の安全・安心も対象とするなど議論は多岐にわたる。

これまでの審議で、委員からは「私立大と国立大の国庫補助の格差をどう変えるかが課題」「知的立国を目指すべきだ。そのためには教育が重要で、国是として示すいいチャンス」「教育研究は60年の歴史がある。知見を整理して現場に提供するのは国の役割」「必要な財政支援を議論すべきだ」などの意見が示された。