『毎日新聞』2007年6月9日付

骨太の方針:教育再生、独立項目に 「格上げ」で与党に配慮


政府が閣議決定する経済財政運営の基本方針「骨太の方針2007」の原案が8日、明らかになった。素案段階で詰めきれていなかった教育再生で、教育予算拡充を求める政府与党に配慮し、独立した一項目に格上げ。授業時間数10%増や全国立大の9月入学導入など、政府の教育再生会議が1日まとめた2次報告書の骨格を盛り込んだ。

経済連携協定(EPA)交渉の加速については、締結国数の拡充や締結内容の質の向上を図る方針を打ち出し、軸となる自由貿易交渉(FTA)などについて、米国や欧州連合(EU)との交渉を、初めて「将来の課題」として明記した。

米国やEUとは、韓国がFTA締結を目指す取り組みで先行。このため政府は5月、EPA交渉の着実な進展を図るため策定している「EPA工程表」を改訂。米国とEUとの交渉の検討を明記しており、骨太の方針にも反映させることにした。

歳出歳入の一体改革については、「機械的に歳出を毎年均等に削減する手法は取らない」などとする文言を付け加えた。