『朝日新聞』2007年6月6日付

宇宙基本法案、今国会提出へ 防衛目的利用に道


自民、公明両党は、高性能の偵察衛星などの情報を防衛目的で利用できるようにする「宇宙基本法案」(仮称)を今国会に議員立法で提出する方針を決めた。6日朝に両党幹部が確認した。「宇宙の軍事利用に道を開きかねない」と慎重だった公明党が5日の政調全体会議で「純粋に防御的な利用に限る趣旨の文言を入れる」などの条件つきで法案を容認することになったためだ。

ただ、今国会は23日が会期末のため、同法案は継続審議になる見通し。成立は秋にも予想される臨時国会以降に持ち越される。

宇宙利用については、「平和利用に限る」とした69年の国会決議があり、これは「非軍事利用」と解釈されている。このため、自衛隊は商用衛星を超えるような高性能の衛星を利用できず、自民党の国防族議員らは決議の解釈を「非軍事」から「非侵略」に変える法律の制定をめざしてきた。自民党が5日発表した参院選公約にも「宇宙基本法制定と宇宙産業育成」が盛り込まれた。