『日本経済新聞』2007年5月31日付

産業技術大学院大学、独自技術持つベンチャー企業を組織化


首都大学東京が設置する産業技術大学院大学(東京・品川)は、独自の技術や製品を持つベンチャー企業を組織化する。東京都が優れたベンチャー企業を表彰する「ベンチャー技術大賞」の受賞企業を中心に、技術力がある企業の連携を促し新製品の開発につなげる狙いだ。大学の施設を開放して研究開発力を伸ばす。人材育成や経営基盤づくりも支援する。

産業技術大学院大が中心となって立ち上げたのは、「ベンチャー技術経営研究会」。2000年にベンチャー技術大賞を受賞したソフト開発のアソボウズ(東京・新宿)や02年の大賞でバイオベンチャーのセルシード(同)など10社で発足した。今後は川崎市や横浜市などの企業にも参加を呼びかける。今年度中に30社、将来的には50社程度に拡大する。

研究会では会員企業同士の共同研究や新製品開発に取り組む。交流会を開いて各社が持つ技術を持ち寄りながら連携を模索する。事務局役の同大学が各社の技術内容を見極めて組み合わせを促す。