『読売新聞』2007年5月29日付

道教育大と道教委、「教職大学院」で覚書(北海道)


来春に「教職大学院」の開設を目指す北海道教育大学は28日、道教委と覚書を締結した。公立学校の現役教員に、大学院で教えてもらうほか、大学院生が実習する「連携協力校」を道内小中学校から設定する||などの内容。道教育大は、札幌市教委とも同様の覚書を締結する方針だ。

調印式では、道教育大の村山紀昭学長と、道教委の吉田洋一教育長が覚書に調印した。村山学長は「北海道教育の発展に寄与していく、中堅のリーダーを養成していきたい」と抱負を述べた。

覚書では、道教育大の大学基金から、大学院生十数人を対象に2年間で40万円の奨学金を出すことなど、経済的負担軽減への配慮も盛り込まれた。

従来の大学院が、学術研究を中心としているのに対し、教職大学院は、学校現場の課題解決に即戦力となる人材育成が目的。道教育大の教職大学院構想では、主に現職教員を対象に、札幌、旭川、釧路校で計約45人を募集する。道教育大では、20人以上の専従スタッフを配置するが、4割以上は、学校現場の経験があるか、現職教員の「実務家教員」を充てる。

道教育大の本間謙二理事は、現在の教員について、教材開発や指導方法の技術については優れていると指摘しつつ、「自分の持っている力を同僚や後輩に伝えていく力が欠けている。家庭や地域と学校を結びつけていく力が求められている」と話した。

道教育大では、函館校での教職大学院開設や、遠隔地で働く教員も学べる「サテライトキャンパス」の設置についても検討していくという。