『東京新聞』2007年5月23日付

教育予算『聖域化せず』 首相、財政再建路線を堅持


安倍首相は二十二日午後の参院文教科学委員会で、来年度の教育予算に関連して「国が大きな借金を抱える中、国民に責任を果たしていくには財政再建を進め、行政改革を聖域なく進めていかないといけない」と述べた。

教育予算をめぐっては、安倍内閣が教育再生を最重要課題に掲げていることから、与党内にも大幅な財政支出を求める声があった。首相の発言は、こうした要望を否定し、財政再建路線を維持する姿勢を明確にしたものだ。

委員会では、優秀な教員を多数確保するため、教職員定数の純減を定めた行政改革推進法の見直しを含め、教育予算の増額を求める声が与野党から続出した。

これに対し、首相は「すべての行政分野で改革を行っている中、たとえ教育分野であっても直ちに(方針を)変更するというわけにはいかない」と述べ、予算配分で教育分野を特別扱いしない考えを表明。その上で「行革を進めていく中で、効率化を図りながらメリハリをつけ、真に必要な財源は確保していきたい」と述べた。