『北海道新聞』2007年5月25日付

大学研修医 3年で半減 道報告、本年度は97人


臨床研修制度が導入された二○○四年度以降、道内の三大学病院で研修を受ける医師が減少し続け、本年度は○四年度の54%減の九十七人となったことが二十四日、分かった。一方、研修後に三大学病院に就職した新人医は昨年度比12%減の百九十人となっており、研修医の大学離れで、大学病院の医師不足が加速している現状が浮き彫りになった。

同日、札幌市内で開かれた道医療対策協議会で道が報告した。

従来、大学を卒業した医師の大半は医局に残ったが、研修制度導入後は研修先を自由に選ぶようになった。

三大学病院で臨床研修を受ける研修医は○四年度は合計二百十一人だったのが○五年度百六十三人、○六年度は百二十七人と漸減。本年度は北大で五十一人(○四年度比50%減)、旭川医大で十人(同74%減)、札幌医大が三十六人(同49%減)。逆に民間病院で研修を受ける研修医は増加し続け、本年度は百八十六人と、○四年度の一・八倍となった。

一方、二年間の研修を終えて、本年度、三大学病院に就職した新人医は、北大九十三人(昨年度比13%減)、旭川医大二十三人(同23%減)、札幌医大七十四人(同5%減)。民間の臨床研修病院に就職した医師は同12%増の八十二人だった。

また、同日の医療対策協議会では、高橋はるみ知事が会長に就任。医師確保対策として、自治体病院と民間病院、開業医との連携体制をつくることや、地方勤務を義務付ける奨学金制度の創設、病院に医師を効率的に配置する集約化構想などについて協議した。