時事通信配信記事 2007年5月21日付

「欧州の大学、中印に負ける」=EU高官


「欧州域内の大学を現代にマッチしたものに改革しなければ、10年以内に競争相手の中国やインドの大学に負ける」−。欧州連合(EU)の執行機関、欧州委員会のフィゲル委員(教育担当)は21日付英紙タイムズ(電子版)とのインタビューで、英国やフランス、ドイツなど欧州各国の大学の力が低下しつつある現状を説明、危機感をあらわにした。

フィゲル委員はこの中で、「インドの技術力は世界第3位ともいわれ、中国は2015年までに複数の大学を世界トップクラスにすることを目指している」と強調。技術革新で欧州勢は後れを取っており、実に40万人を超える技術者が米国で就職していると述べた。

同委員はまた、「インターネットとCD−ROMは英国人が、携帯音楽端末のMP3はドイツ人が発明した。しかし、それら3つを世界中に広めたのは米国にほかならない」と指摘。その上で、欧州の大学が取るべき解決策として、(1)より多くの資金を大学に注入し、学位の質を高める(2)学位を各国間で従来に比べ相互に認めやすくする−などを提案した。