時事通信配信記事 2007年5月22日付

国立大、74校が交付金減少=財務省試算


財務省は21日、国立大87校の9割近くにあたる74校で今年度予算で配分される運営交付金が減少する可能性があるとの試算をまとめ、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に提示した。同交付金の配分方式を研究実績などを重視したものに見直した結果だ。ただ、大学間の格差を拡大するなどとして大学側の反発は根強い。

同省は今年度の運営交付金を、研究の内容や成果に従って決定される科学研究費補助金(科研費)の06年度獲得実績に応じて配分すると、74校が減額になると指摘。さらにこのうち50校は交付額が50%以上も減るとした。減額幅が最大になるのは兵庫教育大で91%減。一方、交付金の増加は13校にとどまるが、トップの増額幅の東京大学の交付金は2.1倍となる。

同交付金(約1兆2000億円)の大半は現在、学生数や教員数に応じて割り振られている。財務省のほか教育再生会議などが配分方式の抜本的な見直しを求めているが大学側は反対。6月の「骨太の方針」に具体的な方向性が盛り込めるかどうかが、今後のポイントとなる。

同日の財政審では、教育や基礎研究を維持するため、同交付金の配分を全面的に競争原理に委ねることに異論はあったが、見直しの必要があるとの認識では一致した。(了)