『読売新聞』2007年5月18日付

国立大病院の看護師、6割がミス…パニック経験も4割
国立大病院の過密勤務訴え


国立大学病院の看護師の6割が、半年間でミスを起こしたり、起こしそうになったりしていたことが17日、全国大学高専教職員組合(全大教)の調査でわかった。

過密労働でパニックになることがあると答えた看護師も4割以上いた。

調査は、昨年10月に全国の国立大学病院の看護師を対象に行われ、25大学5410人(回答率28・3%)から回答があった。それによると、昨年4〜9月にミスを起こしたり、起こしそうになったりした人は60・9%。経験年数が少ないほど、その割合は高く、25歳までの若手看護師では76・7%に上った。

「業務量の多さや複雑さで、パニックになる」ことが「よくある」「時々ある」と答えた人は、43・8%。「十分な看護ができていない」と答えたのは48・9%と半数近くに上り、その理由として、「業務が過密」(38・7%)「人員が少なすぎる」(36・7%)などが挙げられた。

妊娠・出産と仕事との関係を聞いたところ、妊娠しているのに夜勤免除を申し出られなかった人は63・6%。切迫流産などの異常があった人は32・8%と高率だった。全大教では「高度な看護を少ない人数で担うのだから、一人一人の負担は大きい。患者にしわ寄せが行かないよう、看護師を増やすべきだ」と話している。