『茨城新聞』2007年5月6日付

茨城大がオリジナル酒 大吟醸「茨苑」 地域蔵元、酒店と連携


農学部教授の白井誠副学長と松田智明農学部長が「研究成果を生かし、大学の話題づくりに」と企画。昨年初め、白井副学長の知人である土浦市の酒店、鈴木屋の鈴木義信社長に相談した。鈴木さんは「造るならいいものを造るべき」と、常陸太田市の蔵元、岡部合名に醸造を依頼した。

製造に当たり、原料の酒米「山田錦」に、阿見町の農学部農場で収穫された同米を一部使用。酵母は同学部の卒業生も開発に携わったM310酵母を使った。

菊池学長が「茨苑」と命名。同大の元教授で書家の川又南岳氏が商標を書き、オリジナル性を演出した。

同大は「農学部の教育研究の成果と地域連携が大吟醸という形になった」としている。

「茨苑」は七百二十_g入りだけで千五百本を製造。化粧箱入り二千五百円、化粧紙包み二千三百円。初めての試みで、一部を除き同大OBや大学関係者への限定販売となった。

「しっかりした醸造元で、確かな味に仕上がった。この品質でこの値段は非常にお得。どこに出しても恥ずかしくない」と鈴木さん。松田学部長は「蔵元や販売店の協力で完成した。品質を保てるなら、今後も継続させていきたい」と話している。