『四国新聞』2007年4月27日付

香川大「将来構想」策定−最高水準の教育拠点に


香川大は、今後10年間のビジョンを示す「将来構想」を策定した。教育、研究、社会貢献、経営管理の4つの項目に分類し、それぞれ目標を具体的に設定。最高水準の教育研究活動で優秀な専門職業人・研究者を養成、地域社会をリードする知の総合拠点化を目指す。一井真比古学長は「総力を挙げて構想に沿った改革を進め、期待に応えたい」としている。

同大では2005年3月に策定した「改革構想」で、就職支援の強化や研究の高度化を目指す方針を確認。今回の将来構想では、改革構想の取り組みや成果を踏まえ、より具体的に今後10年間の目標を設定した。

柱となる教育、研究、社会貢献、経営管理の四分野のうち、教育は社会ニーズに対応した人材を育成するため、学部学科の改編を柔軟に実施。国際化社会に備え、全学生が実用的な英語能力を身に付ける教育体制を構築する。このほか、大学院の拡充にも着手。教員養成の専門職大学院、人文社会系の博士課程、学際的分野での大学院研究科の設置を目指す。就職支援も引き続き充実させる。

研究面では、最高水準の研究拠点化を掲げる。「瀬戸内研究構想」として環瀬戸内圏の文化、自然、産業、医療福祉などに関する総合的な研究を推進。これら研究の成果を地域社会に還元することで社会貢献に努める。また、活動をPRする情報基盤の整備を進めるため、データベースの構築や電子図書館の整備を促進するほか、大学独自の出版部門を設ける。

経営管理面では、限られた予算を効率的に運用できる財務マネジメントを強化。寄付金や外部資金獲得のための活動を強化するなど、収入増と支出抑制に努める。環境保護や共生社会への配慮も重視、エコ・キャンパス化やユニバーサル・デザインに力を入れる。