『日刊工業新聞』2007年4月24日付

三井住友銀、東大とアルマードの共同研究を橋渡し


東京大学と三井住友銀行は23日、中小企業向け産学連携の新プログラムで共同研究の第1号案件を決めたと発表した。三井住友銀が共同研究員を東大産学連携本部に派遣し、中小の技術課題解決に向けた産学連携案件を検討してきたもので、今回、同行の取引先であるアルマード(東京都中央区)と東大が共同研究契約の締結で合意した。

アルマードが東大教員と行う共同研究は2件。卵殻膜(卵の薄皮)成分が生体におよぼす効果を実験動物や培養細胞によって検証する研究(相手は大学院農学生命科学研究科の加藤久典准教授)と、その健康増進効果を細胞生物学的に検証する研究(同じくサステイナビリティ学連携研究機構の跡見順子特任研究員)だ。

合計で費用は3000万円、2年間で実施する。

東大の企業との共同研究は05年度で計850件、41億円強の実績があるが、中小企業の割合はそれぞれ12%、19%にすぎない。

そのため、東大産学連携本部は、金融機関が紹介する中小企業と東大の連携を検討する研究会を1年前に発足。三井住友銀行とは産学連携の新手法を開発する「プロプリウス21」でも協力していたため、今回の展開になった。