≪文献紹介 『科学』の法人化問題特集号》
     2007年4月22日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

 『科学』(2007年5月号,vol.77,No.5,岩波書店)で,「特集=《競争》にさらされる大学──法人化後の評価 」が組まれています.詳細な目次はhttp://www.iwanami.co.jp/kagaku/yokoku.html
を参照してください.
 関連する目次は以下の通りです.

●大学とは何か
社会機関としての大学 小平桂一 (総研大学長)
知識人としての「常識」と「賢慮」を磨くために 村上陽一郎 (国際基督教大)
大学: 考える人間のサンクチュアリ 藤永 茂 (カナダ・アルバータ大名誉教授)
批判精神を持った教養人の養成を 新藤宗幸 (千葉大)
高校生の現実から大学をみる 佐々木 賢 (神奈川県元高校教師)

●対談
果たして大学は“役立たず”だったのか──議論の土台を問う 池内 了(総研大)+苅谷剛彦(東大)

知識資本主義と新自由主義大学 小沢弘明 (千葉大)
国立大学法人等の教育研究の評価について 荒船次郎 (東大名誉教授)

●外国にみる大学のビジョン
欧州の高等教育改革 高谷亜由子 (文科省)
The Stanford Challenge: Stanford大学が全学をあげて取り組む研究・教育改革 清貞智会 (SRI)
イギリスと日本の大学の違いについて──一研究者の立場から 岩田 想 (英国インペリアル・カレッジ・ロンドン)
中国大学の変化──理科系における人材養成の動向を中心に 黄 福涛 (広島大)


国立大学法人の財務をどう読むか 羽田貴史 (東北大)


●今何が進行しているか
[評価の功罪]
法人化のもとでの研究業績評価──ヨーロッパとアメリカそして日本 福田正己 (北大・低温研)
ティーチング・エヴァリュエーションの功罪 原 千秋 (京大・経済研)

[研究のゆくえ]
長期データ蓄積型研究の危機──80年におよぶ森林環境研究を例に 蔵治光一郎 (東大・愛知演習林)
“研究の多様性を支える”ために 野地澄晴 (徳島大・ソシオバイオサイエンス)

[開かれた大学へ]
徹底的な学生本位の姿勢から状況の打開を図る──高大連携の取り組みを中心として 松浦克美 (首都大・生命科学)
地域との連携で活路を開く 尾久土正己 (和歌山大・学生自主創造科学センター)
地域連携と新しい大学モデル 三村信男 (茨城大)
「知力の都市」を形成する 清成忠男 (三鷹ネットワーク大)

[教員養成の現場から]
教員養成大学が教科教育軽視でいいのか 川勝 博 (名城大,元香川大・教育)
いま求められている教員養成カリキュラムとは何か?──「理科教育データベース」の構築から見えてきたもの 川上紳一 (岐阜大・教育)
教育系大学で起こっている現象 福江 純 (大阪教育大・天文)
軌道修正の兆しを読む 関沢正躬 (東京学芸大・数学)

[地方大学の今]
地方総合大学における法人化のインパクト 片峰 茂 (長崎大・医歯薬学総合)
地方大学における1つの研究戦略 入舩徹男 (愛媛大・深部地球ダイナミクス研究センター)
医歯学系と研究所の場合──法人化大学の一教員・一研究者として 牛木辰男・高橋 均 (新潟大・医歯学系/脳研究所)
統合・大学院化・法人化が山梨大学にもたらしたもの 久保田健夫 (山梨大・医学工学総合)
教職員人事制度に根本的変更 谷口吉光 (秋田県立大)

[大学はどこへゆく]
産業社会とは異なる規範を示す空間に 金森 修 (東大)
教養なき大学の惨めな行く末 高橋義人 (京大・総合人間)
大学の惨状とそれを取り巻く歴史的構造 小松美彦 (東京海洋大)
法人化と附置研・全国共同利用研は両立するか 上出洋介 (京都大学生存圏研究所)
法人化という手品 石黒武彦 (同志社大,元京大)


[コラム]
  国際的な視野を開く 池部織音 (ユネスコ)
  変わったこと,変わっていないこと 大隅典子 (東北大)
  ドトールとローソンの先 須藤 靖 (東大)
  法人化 四歩下がって 一歩前進 白楽ロックビル (お茶大)