『毎日新聞』2007年4月10日付

<スーパーDrコース>北陸先端科学技術大学院大が新設へ


北陸先端科学技術大学院大(石川県能美市、潮田資勝学長)は10日、優秀な大学3年生を「飛び級」で受け入れ、通常より2年早く博士に育てる「スーパードクター(SD)コース」を新設すると発表した。来年度から実施する。

理工系の博士号を取るには通常、学部4年、修士課程2年、博士課程3年の9年かかる。SDコースは特別入試で選んだ大学3年生(若干名)を大学院生として4年間指導し、博士号を授与する。これにより、大学入学から7年間で博士号が取得できる。在学中は毎年120万〜180万円の奨学金を支給し、経済的支援も手厚くする。

潮田学長は「できる人もそうでない人も9年間で博士号、という現行の運用では、先端研究で世界と戦える研究者は育てられない」と話す。

このほか、学部から大学院に進む際に専攻分野を変えた学生には、2年分の学費で最長3年間通える制度や、学生の多様な進路を、1人当たり3人の教員がサポートする指導体制も整える。

同大は90年に開学した大学院のみの国立大学法人。他大学が大学院生確保にしのぎを削る中、「競争力のある人材育成」を狙って今回、教育システムを見直した。「優秀な外国人学生や、留学を考えている日本の学生を集めたい」(同大)という。【元村有希子】