『北海道新聞』2007年4月8日付

助教授→准教授 助役→副市町村長 肩書、内容ともに変化 今月から


助教授、助役など世間一般に広く知られてきた肩書が一日から、新しい名称になった。大学の助教授は「准教授」に、市町村の助役は「副市町村長」に。いずれも法改正による変更だが、道内の大学病院では准教授が教授ポストに抜てきされるケースが表れるなど、変わったのは呼び名だけにとどまらないようだ。

助教授から准教授への変更は、改正学校教育法施行に伴うもの。同時に「助手」も主体的に研究を行い学生も教育する「助教」と、こうした研究者を補助する「助手」に分かれた。

改正前、助教授は「教授の職務を助ける」、助手は「教授及び助教授の職務を助ける」と規定され、教授、助教授、助手は上下の関係だった。改正後、この「助ける」職務はなくなり、三者とも職務は「研究・教育」に統一。肩書の違いは「能力の差」(文部科学省大学振興課)に変わった。

北大病院は五日、これまで教授ポストだった光学医療診療部長に准教授を抜てきした。浅香正博病院長は「『助』がとれて独立した存在になり、部長にも起用できるようになった」と説明する。

一方、北大大学院の大半や室蘭工大、道教大などは、一日以降に採用する「助教」に五年以内の任期制を導入した。これに対し、北大教職員組合からは「雇用が不安定な状態では教育・研究に支障をきたす」と反発も起きている。

市町村の助役から副市町村長への変更は、改正地方自治法施行による。特別職制度ではさらに、収入役が廃止され、代わりに一般職の会計管理者を置くことになった。

道市町村課によると、行政改革の一環などで助役を欠員としているか、条例で置いていない道内の市町村は今年一月一日現在で十六あった。だが、法改正に伴う条例改正を機に、特別職の人数を増やす動きもある。

条例で助役を置いていなかった十勝管内池田町では昨年十二月の定例会で、副町長の定数を一人とする条例案が可決され「(二十二日投開票の)町議選以降、町長が副町長を配置するかどうかを決めることになる」(総務課)という。

また、上川管内東川町では、昨年十二月の定例会で副町長の定数を一人と決めたが、今年三月の定例会では二人に増やす条例改正案を可決した。四月中旬の臨時会では、二人の副町長を選任する人事案が提出される予定。松岡市郎町長は「行政のスリム化に逆行することにはならない。副町長が二人になれば、町長と合わせて三本の矢になる。歴史に学ぶのが大切」と話している。