『陸奥新報』2007年3月22日付

弘大が生活費支援制度
最高10万円、学生へ無利子賃与


弘前大学(遠藤正彦学長)は来年度、経済的な理由で生活が困窮した学生に対し、生活費として10万円までを無利子で貸与する独自の奨学金制度「弘前大学生活支援奨学金制度」を設立する。大学が無利子で学生に手を差し伸べることで、消費者金融などの借金から救うと同時に、申請を通して学生の生活指導も行うのが狙いだ。

弘大は中期計画・中期目標の一つとして、独自の奨学金制度構築を模索してきた。今年度は、学務部学生課に奈良岡康則課長(57)が岩手大から赴任。奈良岡課長は岩手大で携わった生活資金支援の奨学金制度を弘大でも取り入れようと提案し、実現した。奈良岡課長によると、岩手大では昨年度から大学後援会の寄付金で運営されており、同制度は全国的にも取り入れられているという。

奨学金は一時的な経済理由で生活が困難とみられる学生に対し、一回10万円までを返済期間20カ月をめどに無利子で貸与するもの。学生課が申請を受け付け、教育学生委員会委員長と副委員長、学務部長の三人でつくる選考部会が2、3日で精査し、貸与する。返済は、一括か分割かも選べるという。

奈良岡課長は「消費者金融に頼るより、大学が手を差し伸べて支援すれば学生の生活指導もできる」とメリットを挙げ、「大学が申請に来た学生の話を聞くことで、学生自身も生活を見直す手だてになるのではないか」と期待している。