『読売新聞』2007年3月20日付

私大新入生への仕送り、首都圏で初の10万円割れ


昨春、首都圏の私立大学に入学した新入生の1か月の平均仕送り額が、9万9200円で過去最低となったことが19日、東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)の調査でわかった。

また、4人に1人の親は入学費用を借金で捻出していた。東京私大教連は「大学進学率の上昇に伴い、家計が苦しくても子供を大学に進学させようと無理をしている家庭が増えているのではないか」と指摘している。

調査は、昨年5〜6月、首都圏の20大学・短大で実施し、新入生の保護者約4000人が回答した。

それによると、月々の平均仕送り額は1994年度(12万4900円)をピークに減少傾向が続き、今年度は、過去最低だった前年度をさらに2200円下回った。仕送り額が10万円を割り込むのは、86年度の調査開始以来初めて。

また、仕送り額から家賃を除いた「生活費」も11年連続で減少し、3万9100円で過去最低だった。

一方、入学費用を借金で調達した親は全体の27・7%(前年度比5・8%増)。自宅外通学者の親の30・8%、自宅通学者の親の25・2%を占め、それぞれ過去最高だった。借入額の平均も174万3000円で、前年度に比べ7万9000円増え、過去最高となった。