時事通信配信記事 2007年3月13日付

●教委への是正指示権を決定=教育3法で首相


安倍晋三首相は12日夕、教育関連3法の改正について伊吹文明文部科学相、菅義偉総務相らと会談し、焦点となっている教育委員会改革では、教委に対する文科相の是正指示権を認め、地方教育行政法改正案に盛り込むよう指示した。会談後、首相は記者団に対し、10日に中央教育審議会(文科相の諮問機関)がまとめた答申を踏まえ「いじめや子どもの命、安全にかかわることは国が指示できるようにする」と語った。

会談では、3法改正案を速やかに提出することが確認された。文科省は今月中に改正案を提出する方針だ。

児童・生徒の生命・身体の保護のため緊急の必要がある場合、指示を行うことが必要との判断による。また首相は、教委に対する「是正要求」を新たに同法改正案に盛り込むことを指示。「憲法に規定する教育を受ける権利が侵害される」ような場合に対応するため、是正指示に準じる措置として新設する。高校必修科目の履修漏れなどが、是正要求の対象として想定される。

首相は、「教育現場を一新し、教育新時代をつくっていきたい」と強調。是正指示権に対しては、「地方分権に逆行する」などと地方6団体が強く反発し、中教審の答申にも反対意見が付記されたが、首相は「いろんな意見があるが、最後はわたしの責任で判断した」と述べた。