時事通信配信記事 2007年3月6日付

「連携大学院」で医科学専門家育成=鹿屋体大、スポ振センターと4月に創設


国立鹿屋体育大学(鹿児島県鹿屋市)は4月、スポーツ医科学の専門家養成を目的に、独立行政法人日本スポーツ振興センターとの間で「連携大学院」を設置する。同センターの下部組織で、日本のトップアスリート育成支援を行う国立スポーツ科学センター(JISS)の研究員による授業などを通じ、院生の専門知識のレベルアップを図る。

同大はアテネ五輪で金メダルを獲得した競泳の柴田亜衣選手の母校。連携大学院を設置するのは博士課程のみで、07年度の入学定員は8人を予定。通常は通学して講義や実技をこなすところ、2人は同センターに常駐して研究指導を受ける形を想定している。

同センターにはスポーツ医科学の分野で日本有数の研究員が多数所属。連携大学院では客員教授となって講義を実施する。「アスリートトレーニング科学」「バイオメカニクス」など8つの授業が新たに導入され、院生は同大とセンターの授業を自由に組み合わせて単位を取得できる。

客員教授の授業はテレビ中継システムを使って行われ、運動時に発生する障害や脳に及ぼす影響、筋肉のメカニズムなど、世界レベルの研究内容を学ぶことができる。客員教授による論文指導で単位を取得することも可能になるという。

同大の高橋誠記副学長は「2つの異なる組織が包括的に協力し、互いの知的資源を活用することは大きな意味を持つ」と話している。(了)