『徳島新聞』2007年3月4日付

防災リーダー養成へ講座 徳島大学、今春から全学共通で


南海地震の発生が懸念される中、徳島大学は今春から全学共通教育の授業に「防災リーダー養成講座」を取り入れる。災害予防・警報や保険、耐震工法、避難所運営などを紹介し、地震や洪水などの大災害発生時にボランティアとして地域に貢献できるよう専門知識を学ぶ。

前期は「災害を知る」、後期は「災害に備える」と題して週一回、一時間半ずつ一年間講義する。単位は前期、後期とも各二単位。定員は百十人で、このうち三十人程度は市民も受け入れる。

講義では、徳島大教授のほか、建築士やファイナンシャルプランナー、消防士ら専門家約二十人が講師を務め、地震保険の範囲や緊急地震速報の仕組み、救命方法などを学ぶ。

講座修了生には、災害発生時にボランティアリーダーの役割を担う防災士試験の受験資格が与えられる。

NPO法人・日本防災士機構によると、一月末現在、防災士は全国で一万六千五十七人が認定されている。徳島県内の認定者は百六十八人。

徳島大環境防災研究センターの中野晋助教授(地域防災学)は「全国的にも防災リーダーの養成講座は珍しい。専門知識を学んで、万一のときは地域を守る力になってもらいたい」と話している。