『山陰中央新報』2007年3月6日付

島根県立大の4大化は持ち越し


公立大学法人島根県立大学準備委員会の最終会合が5日、浜田市内で開かれた。島根女子短大、看護短大の4年制大学化問題は、学生確保の見通しや、短大希望者への対応策などの議論が不十分として「十分な判断ができる状況にない」と、結論を持ち越した。新年度に法人と島根県で改めて、財政的な制約を考慮した上で、4大化の実現性を検討する。

4大化問題は、近年の学生の4大志向に加え、管理栄養士や看護師といった専門職について、教育年限の延長など、資格・免許の取得要件の厳格化が議論されている状況が背景にある。

同日のまとめでは「高資格者養成に対する社会的要請の高まりから、4大化の検討は避けて通れない」としたが、経済事情などで4大進学ができない学生への対策、4大卒者の県外流出への懸念などの課題を指摘。厳しい県財政を踏まえ「財政支出は真に必要な内容に限定すべき」と、経営的な視点での検証も求めた。

個別には、看護師養成における他機関との役割分担について、議論を煮詰める必要性も明記。宇野学長は「法人発足後、なるべく早い時期に議論する場を作り、方向性を出したい」とした。

6年間の総額予算約172億円などを含む法人の中期計画案は、原案通り承認。教員の個人評価制度、法人の役員報酬なども報告された。

また、法人の中期計画や予算を審議する経営委員会の委員9人と、監事2人が内定した。

▽経営委員=宇津徹男・浜田市長、西沢裕・島根銀行最高顧問、室崎富恵・いわみ福祉会理事長、井上定彦県立大交流センター長(他の5人は理事長、副理事長、理事3人)

▽監事(非常勤)=岡田久樹・日本海信用金庫理事長、周藤滋弁護士