時事通信配信記事 2007年2月26日付

「国の関与」結論持ち越し=教育3法で中教審


中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は25日の総会と分科会で、教育改革に絡み政府が今国会に提出する教育関連3法改正案について集中審議を行い、教育職員免許、学校教育両法の改正案骨子を固めた。しかし地方教育行政法改正案に関しては、最大の焦点である教育委員会に対する国の関与の在り方をめぐって意見集約が難航、結論は持ち越された。

3法の改正は、教員の処遇、学校の組織運営体制、教委制度を大きく見直すもので、安倍晋三首相が掲げる「教育再生」の第一歩となる。免許法改正案は、現行では終身有効となっている教員免許に10年ごとの更新制を導入するのが柱。学教法改正案は、各学校が教育活動や学校運営の状況に関し、保護者や地域住民に情報提供することなどを新たに規定する。

これに対し地教行法見直しでは、文科省が、都道府県教委の教育長任命に際し、文科相が一定の関与を行う案を提示しているが、委員の賛同が得られていない。自民党内からも慎重論があり、改正案への明記が見送られる可能性も出てきた。

一方、「地方公共団体の教育に関する事務が法令違反や著しく不適正な場合」に限り、文科相が教委に是正勧告・指示を行えるとする案については、国の責任を明確にするため「伝家の宝刀」としてだけ行使を容認する空気が強まっている。ただ、全国知事会など自治体代表の委員は反対の姿勢を崩していない上、仮に是正勧告・指示権を容認する場合でも、その要件などをめぐって激論が予想される。

中教審は28日、関係団体からヒアリングを行った上、その内容などを踏まえ、取りまとめに向けた詰めの議論を行う予定。