『産経新聞』2007年2月15日付

「夜学の灯」消さないで 大阪外語大、大阪大と今秋統合


大阪大学との10月の統合に伴い、大阪外国語大学(大阪府箕面市)が廃止を予定している「夜間主コース」の学生が、コースの存続を求めて署名活動を続けている。すでに約1800人分の署名を集めており、統合凍結の国会決議を求める請願書と合わせて、今月中にも衆参両院議長あてに提出する予定。学生らは「夜間には、社会人や経済的に苦しい学生が多く学んでいる。一方的な廃止ではなく、いかに存続させるかを考えてほしい」と訴えている。

存続求め学生ら署名活動

両大学は昨年3月、統合推進で合意。統合関連法案が今国会で可決されれば、10月1日付で正式決定する。統合で、大外大は阪大の「外国語学部」となり、約700人の学生が在籍する夜間主コース(6専攻語)は来年度から、学生の募集を停止する。

夜間主コースは、昼間の授業の一部を履修できる「昼夜開講制」を採用。学費が半額で済むため、働きながら学ぶ“苦学生”も多く在籍する一方で、社会人学生の在籍率は低下しており、夜間のみを履修する学生も減っていることなどから、統合に合わせて廃止を決めたという。

署名活動を始めたのは夜間主コース国際文化学科4年(フランス語専攻)の大今春菜さん(21)らで、「大阪外国語大学夜間主コースの存続を求める会」を1月中旬に結成。

大今さんは、大外大留学生会館の事務室でアルバイトをしながら学生生活を送っており、「そもそも、統合協議に関する学生への情報開示がほとんどなく、統合後の授業体制もいまだ明確に示されていない。もっと学生らに望まれる形で進めるべきだ」と話す。

他の学生の協力も得て学内外で署名を集め、昼の授業に通う学生やOB、近隣住民らから、当初目標の1000人を大きく上回る約1800人分の署名を1カ月足らずで集めた。

最終的には2000人以上の署名を集め、今月中にも地元選出の国会議員らを通じて、衆参議長に統合凍結の請願書と合わせて提出するという。

大外大総務課は「在学生のカリキュラムは卒業まで必ず保証する。今後も廃止理由を丁寧に説明し、理解を得られるよう努力したい」としている。