『京都新聞』2007年2月15日付

京大に記念館建設、寄付へ
稲盛財団 教育研究などの拠点に


稲盛財団(理事長・稲盛和夫京セラ名誉会長)は14日、京都大吉田キャンパスに教育研究施設「稲盛財団記念館」を建設し、寄付する計画を発表した。5月に着工し、来夏に完成する予定。総事業費は数10億円とみられる。

同財団主催の京都賞に京都大が協力していることから、京大の寄付要請に応じた。稲盛理事長は過去に個人で芝蘭会館など2施設を京都大に寄付している。

鴨川沿いの東南アジア研究所などを改築する。建物は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ約6000平方メートル。鴨川に面してガラス張りにするほか、グレーを基調に落ち着いた外観に仕上げる予定。自然採光などで省エネルギー性を高める。

アジア・アフリカ地域研究研究科や昨年4月に発足した地域研究統合情報センター、今年4月に設置予定の「こころの未来研究センター」(仮称)などが入る。1階には京都賞の歩みを紹介する「京都賞ライブラリー」を整備する。

稲盛理事長は「長くお世話になってきた京都、京都大に恩返しをしたかった。学問の発展のために活用いただきたい」と話している。