『北海道新聞』2007年2月15日付

室蘭工大 大学院に宇宙工学専攻 道内初、08年度の開設検討


【室蘭】室蘭工大は二○○八年度から、大学院博士前期課程に道内初となる航空宇宙工学専攻を開設する方向で検討を始めた。同大の航空宇宙関連の研究は、現在、エンジンや機体など機械工学分野に限られているが、新たに通信や材料、有人宇宙技術にまで広がる。体系的に航空宇宙を研究できる環境を整え、独自色を強めたい考えだ。

航空宇宙工学専攻には電気電子工学と材料物性工学の二分野を加え、宇宙通信や宇宙エネルギー、高融点金属材料も研究できるようにする。

これに伴い、同大は宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携を強化する方針だ。客員教授などとして現在招いているエンジンや機体などの研究者だけでなく、今後は宇宙生物学や宇宙農業、宇宙医学など幅広い分野の研究者も招く予定。

苫小牧東部地域では航空関連産業の誘致活動が活発化しており、人材供給拠点としての役割も期待される。同大航空宇宙機システム研究センターの棚次亘弘教授は「ものづくりや実験を多用し学生のやる気を高める教育にしたい」と話している。

同大は○五年四月に同センターを設置。次世代型宇宙船や超音速飛行機の研究を進めている。