『信濃毎日新聞』2007年2月10日付

信大医学部が08年度の定員増を検討


医師不足の深刻な県で大学医学部に定員増を認めた国の方針を受け、信大医学部(松本市)は9日、2008年度に定員を増やす方向で検討していると明らかにした。増員の規模は最大10人で、人数や増員分の選抜方法は今後詰めるとした。

信大医学部医学科の定員は、現在95人。国の対策は、長野など計10県にある国公私立大医学部の入学定員を08年度から各県で最大10人、最長10年にわたり増やすことを認めている。

国は定員増の条件として、学部の半数以上の学生を対象にした奨学金制度を設けることなどを県に求めている。この日記者会見した大橋学部長は昨年秋から県との協議に入っているとした上で「県と一致団結して取り組んでいきたい」と述べた。県衛生部は「信大と協議中」(医療政策課)と説明、厚労省などが示した奨学金制度の対象人数削減など条件緩和を要望しており、同省と調整中としている。

大橋学部長は「一部の市から独自の奨学金を設けて医師を育てたいという相談もあるが、県との整合性もあり待ってもらっている」と説明した。

また、07年度から募集人員を10人に増やした「県内枠推薦特別選抜」は12校の29人が受験、6校の生徒10人が合格したと発表。現在最大3人としている高校からの推薦を次回から最大4人とする方針も示した。