『長野日報』2007年2月11日付

県内7大学 「単位互換」大学院に拡大へ


単位互換の協定を結んでいる県内7つの大学が2007年度から、適用枠を大学院にまで拡大することになった。信州大学(本部・松本市)、諏訪東京理科大学(茅野市)、県看護大学(駒ケ根市)、松本歯科大学(塩尻市)の4大学にある合わせて5研究科の院生を履修対象に、新しい協定を締結する。

単位互換は、学生が授業料を負担せずに他大学の授業を履修できる仕組み。県内7大学では05年度から実施しており、各大学が定めた約2000科目に対し、初年度は19人が計37科目を、06年度は16人が計28科目を履修した。

新協定に基づく単位互換は、信大が諏訪圏域と塩尻、飯田両市の3カ所に順次開設する、工学系研究科の修士課程「ものづくり専門職大学院コース」の活用策を視野に入れて各大学へ提案。4年制協定と同様に授業料を徴収せず、履修者の所属大学院が単位認定するかどうかを判断する。

4年制協定ではこれまで、学問領域で専門性の高い諏訪東理大、県看護大など計四大学からの履修者がゼロだった上、受け入れは信大と松本大学(松本市)に集中。遠距離通学の負担も絡めた、普及バランスの偏重が課題となっている。

信大学務課は「新協定で工、農、医の専門分野をより高質にカバーする受け皿が広がる。信大工学系大学院の分散設置も含めて、全県的に学生の関心を促せるのでは」とし、今後の普及展開に期待を寄せている。新協定の調印式は12日、各大学の理事者が出席して松本市内のホテルで行う。