『長崎新聞』2007年2月8日付

長崎大特許収入が倍増 産学官連携機構など奏功


長崎大の研究成果を活用した特許の技術移転契約が本年度十八件(昨年十二月末現在)、そのロイヤリティー(実施料)収入が千五百万円に伸びていることが分かった。二〇〇五年度は十三件、七百七十七万円で、収入はほぼ倍増した。

同大は二〇〇四年度の国立大学法人化を機に、研究成果の社会還元を推進。〇四年に「知的財産本部」、〇六年七月に「産学官連携機構」を設置し、共同研究や知的財産権の取得・活用、起業支援に力を入れてきた効果が出たとみられる。

〇四年度からの特許出願件数は百十三件と、法人化前の十二件に比べ急増。技術移転契約も法人化前は実績がなかったが、〇四年度の四件を手始めに着実に実績を伸ばしてきた。本年度の十八件の技術分野は医、歯、薬学のバイオ系十二件、工学系六件という。

六日、同大などは長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアで産学官連携を考える講演会を開き、実績を報告。参加者約百五十人を前に、同機構の谷山紘太郎機構長は「産業界や他大学との共同研究で新しい知的財産を生みだし、新産業を創出したい。皆さんのご支援をお願いしたい」と訴えた。

講演会では知的財産権の法務に詳しい光和総合法律事務所(東京)の竹岡八重子弁護士や経済産業省大学連携推進課の吉澤雅隆課長らが特許戦略の要点や連携の課題を解説した。