『日刊県民福井』2007年2月7日付

ツインタワー化に予算
福井大の新棟夏前着工
国の補正予算案可決


福井大文京キャンパス(福井市)のランドマークとなっている地上十三階建ての「総合研究棟I」の東隣に、同じ規模の建物が新設されることになった。各階に連絡通路を設け、一体感のある“ツインタワー”とする。夏前に着工し、一年後の完成を目指す。 (尾嶋隆宏)

ツインタワー化は、国公立大施設の耐震強化を図る国の本年度補正予算などを活用して実施する。同予算案は六日、参院で可決、成立した。

計画によると、新築する建物は地上十三階建て。「総合研究棟I」と同じ高さ五十八メートル、延べ床面積約八千平方メートル(地上部)の巨大建物とし、約三メートル離して造る。現研究棟にある地階部分(一階)は設けない。

今回の整備に伴って、文京キャンパス内にあり老朽化のため耐震改修の難しい工学部「物理工学科棟」の全部、理数系教員養成施設の「教育地域科学部二号館」の大部分は取り壊す。新建物には、この二棟に入っている両学部の各研究室などを移す予定。事業費は、工事入札を控えているため明らかにされていない。

児嶋眞平学長は「国が耐震強化予算での大学建物のスクラップ・アンド・ビルドを認めてくれたため、悲願だった新しい十三階建物が造られることになった。きれいな建物で教育すれば、学生のやる気も出るし、研究も進む」と手放しで歓迎する。

現在の総合研究棟Iは、二〇〇二年に完成。工学部研究室のほかに、学会や市民講座に利用される大会議室もあり、学内外の人に「福大のシンボルタワー」として認知されている。