『北海道新聞』2007年2月7日付

室工大 ロシアと学術協定 極東工大とエネルギー開発へ


【室蘭】室蘭工大(松岡健一学長)は二月中にも、ロシア・ウラジオストク市の極東国立工科大と学術交流協定を結ぶ。仲介役を務めた三井物産戦略研究所(東京)を含む三者で締結する。道内企業のロシア極東地域への進出などを視野に、研究内容の事業化を進める。

極東国立工科大は一八九九年に創立。海洋工学や土木工学など十六学科からなり、学生数は約二万五千人。道内の大学とは初めて提携する。ウラジオストクは室蘭とほぼ同緯度にあり、寒冷地に適したエネルギーの共同開発などに期待がかかる。

四月中旬には松岡学長ら三者の関係者がウラジオストクに集まり、共同研究案を出し合う。新年度内に一、二件の研究に着手する予定だ。また、研究者や博士課程の学生の相互交流も計画している。

共同研究の事業化の際には、三井物産戦略研究所が道内企業のロシア極東地域への進出を支援する。

ウラジオストクは二○一二年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の開催地。室蘭工大は「サハリンでの天然ガス開発やAPECの開催など、ロシア極東地域は今後、エネルギー産業を中心に発展が見込まれる。共同研究を通じて結びつきを強化していきたい」としている。