『朝日新聞』2007年2月3日付

新入生、漏れなくノートPC お茶の水女大がPR作戦


お茶の水女子大(東京都文京区)は、4月に入学する1年生全員にノートパソコンを無償貸与する。07年度の入学定員は452人で、購入費は数千万円規模になる見込み。6日まで出願受け付け中の2次試験を、より多くの人に受けてもらおうと、大学のホームページに掲載しPRしている。

「これからは高度な情報処理能力を持つことが、社会で活躍する武器になる」と、同大は現在、情報教育に力を入れている。しかし、自分専用のパソコンを持つ学生は意外に少ないことがわかった。

法人化以降、毎年国からの運営費補助金を減らされ、財政事情は厳しい。だが、今回、光熱費などの節約を重ねて、必要な予算を工面できるめどがたったという。それでも同大の年間予算は約67億円で、毎年は購入できない。このため貸与は1年間とし、2年生になったら新入生に引き継いでもらうことにした。

少子化で18歳人口が減り「全入時代」が迫る中でも、「女子教育の最高学府」を自任する同大は毎年3倍超の競争率を維持している。それでも優秀な学生を数多く集めようと必死だ。羽入佐和子副学長は「受験生にパソコン貸与はアピールになると考えた。これをきっかけにほかの取り組みにも注目してもらい、多くの人に志願してほしい」と話す。