『東奥日報』2007年2月4日付

弘大の経済効果420億円/05年試算


国立大学法人・弘前大学(遠藤正彦学長)は初めて、同大のもたらす経済波及効果を二〇〇五年度ベースで約四百二十億円と試算した。大学支出や学生生活費の推計などから算出した。うち、施設工事や物品購入などに充てた支出契約総額は約百二十七億八千万円。また、県内に本社を置く事業所との支出契約額は五十九億三千万円で、大学のある弘前市分が大半の四十四億八千万円を占め、地元還元されている。

弘大は〇四年度に独立法人化して以降、大学が地域にもたらす経済波及の一端を、同大財務部の財務会計システムで評価している。

今回はじき出した経済波及効果の約四百二十億円は、大学の支出全体額約三百四十五億円(長期借入金の償還金を含む、決算額ベース)に、試算した学生生活費六十八億円、院外処方薬剤費約二億二千万円などを合わせて算出した。経済波及については、〇三年に弘前市が委託調査により、六百四十億円と分析した経緯もある。県産業連関表を基にはじき出されたもので生産誘発額も含んでいる。

弘大は弘前市に続いて県と協力協定を締結しているが、今回の試算に遠藤学長は「大学の存在と地域とのかかわりを示す一つの指標と思う。今後も教育・研究による貢献はもちろん、地域を大切にしていきたい」とする。

一方、〇五年度の支出契約額では、全体の約百二十七億八千万円に対し、県内分は前年度比約二億円増の約五十九億三千万円。うち、弘前市分が同約一億三千万円増の約四十四億八千万円と全体額の35.1%を占めた。