時事通信配信記事 2007年01月26日付

LEC大、問われる文科省の認可責任


文部科学省が「大学の授業とみなせない」として改善勧告したLEC東京リーガルマインド大学は、構造改革特区法の適用第一号として特例により、わずか3カ月の審査で設置認可された。実態把握を十分に行わなかった同省の姿勢も問われそうだ。

大学の設置認可は、毎年4月末までに申請し、大学設置・学校法人審議会などによる審査を経て、11月末に出されるのが通例。しかし、同法で株式会社による大学設立が解禁された2003年度は、10月末までの申請で翌2月に認可する特例が認められ、LEC大も特例が適用された。

しかし、ビデオを見るだけの講義が大半を占め、質疑時間も制限。専任教員の6割以上は「名前だけ」の「高等教育機関とは懸け離れた実態」(同省担当者)が相次いで判明した。度重なる行政指導にも目立った改善は見られなかった。

学生からも苦情が上がり、同省によると、04年4月の開校から昨年11月まで
に、通学制課程で1割を超える学生が退学したという。

文科省は「計画提出の段階で実態をすべて把握するのは困難」とする一方、「株式会社大学の早期実現を最優先し、慎重な審査をしなかった当時の判断には責任がある。提出させる書類を増やし認可基準を厳格化する必要がある」としている。