『西日本新聞』2007年1月28日付

九大教授盗作疑惑 コピー「有料」不適切? 通常なら学生負担なし


九州大芸術工学部(福岡市南区)の男性教授(57)の著書盗作疑惑で、盗作したとされる英語書籍を学内でコピーし、学生に教材として購入させたことが不適切だった可能性のあることが27日分かった。九大は学内のコピー機を利用して教育や研究目的で使う資料を複写した場合、教員が学生から代金徴収することを通常認めておらず、同学部の調査委員会が著作権侵害問題と併せて調査している。

著作権法は、九大など教育機関では授業で必要とされる著作物のコピーについて、著作権者の利益を害さない限度で使用できると定めている。

同学部によると、教員が学内のコピー機を利用する場合は国から支給される事務経費が使われる。また、コピー作業を手伝った学生へのアルバイト代も同経費から支給できる。このため、学生に無料でコピーが配布される仕組みになっている。

ところが、男性教授は1999年度から3年間、学内で英語書籍の大部分をコピーして、学生約120人に一部1000円で購入させていた。

調査委は大量のコピーが著作権侵害に該当するか調べる一方、(1)なぜ集金したのか(2)集めた代金をどう扱ったか‐など代金徴収に不透明な点がなかったか調査している。

西日本新聞の取材に対し、教授はコピー作業は学生に依頼した、とした上で「作業のアルバイト代をひねり出すため、学生が話し合って有料にした」などと説明している。私的流用はないとしている。

調査委は3月末に調査結果をまとめる方針。