『毎日新聞』茨城版2007年1月26日付

筑波大大学院:「看護科学専攻」を新設 新年度から、全国で初めて


筑波大は25日、新年度から大学院人間総合科学研究科の修士課程に「看護科学専攻」を新設すると発表した。専門的な知識と高度な看護技術に加え、科学的根拠に基づいた的確な判断力を持つ専門家の育成を目的とし、専攻名に「看護科学」を付けるのは全国で初めてという。

医学や医療技術が急激に進歩する一方で、インフォームドコンセントや医療倫理問題など、人々の健康に対する意識も変化している。同大では、科学的根拠に基づいた看護学の充実と、同大看護・医療科学類が今年度に最初の卒業生を出し、継続した教育が必要だとして大学院での環境整備が求められていた。

教育課程は「実践看護学」「地域健康システム看護学」「環境看護学」の三つで、看護学に加え、人間総合科学研究科がもつ教育学や心理学、体育科学などを学ぶことができる。また、同研究科の連携拠点などで特別実習拠点を整備する。

入学定員は15人で、若干名の社会人特別選抜を設ける。同研究科の高田ゆり子教授は「科学的な裏づけと、日本の文化に根ざした看護理論の構築が期待できる」と話している。【石塚孝志】