『読売新聞』東京版2007年1月26日付

多摩地区4大学と欧州大学院が学術交流協定(東京)


欧州連合(EU)に関する教育研究の拠点として設立された「EUインスティテュート・イン・ジャパン(EUIJ)」(事務局・一橋大)は、欧州でトップレベルの公立教育機関でイタリア・フィレンツェにある「欧州大学院(EUI)」と学術交流協定を締結した。

EUIJは、EUやその政策について一般の理解を深めるため、欧州委員会の助成を受けて2004年に発足し、一橋大と国際基督教大、東京外語大、津田塾大の多摩地区にある4大学が共同で運営している。一方、EUIは1972年に当時の欧州共同体(EC)加盟国が、欧州の歴史や発展について高度な研究を行うために設立された。

協定書は、「相互の理解とEU研究およびEUにおける日本研究の発展を促進するためにあらゆる可能な協力を進める」とし、人材交流の推進や共同研究の実施などが盛り込まれている。今後は、EUIから講師を招き、4大学で集中講義や一般市民を対象とした公開講座を行うほか、4大学から大学院生などをEUIに派遣することなどが想定されている。

調印式は13日に津田塾大(小平市)で行われ、EUIのイヴ・メニィ学長が、「学問水準の高い4大学との交流協定はまことに喜ばしい。積極的に実施していきたい」とあいさつし、4大学のそれぞれの代表者と一緒に協定書に署名した。関連イベントとして国際会議も開かれ、メニィ学長らが、欧州の政治や経済、文化などについて講演を行った。