『北海道新聞』2007年1月25日付

産学連携しIT技術者育成へ 6社資金提供 講師陣も派遣 はこだて未来大


【函館】公立はこだて未来大大学院(函館)は四月、地元などの民間企業六社の寄付金を利用して、情報技術(IT)を学ぶ同大の学生、院生を対象に「実践的IT人材育成講座」を新設する。企業からも講師を派遣してもらい、次世代を担う若手の実用的な技術力を向上させる狙い。民間出資による産学連携のIT人材育成事業は、北大大学院の例があるが、国内でも珍しいという。

講座はソフトウエア業界大手のアルゴ21(東京)やエスイーシー(函館)など六社が年間計千万円を資金提供し、最低二年間、開かれる。インターネット上の商品流通管理システムやデジタル画像処理などの最先端のプログラム技術をテーマに、同大教授陣が四年生から大学院修士課程までの十人程度を指導する。

受講生は、六社の技術者による講義も一部受けながら、新システム開発を行い、実践的な技術を磨く。優秀な場合、六社への就職の道も開かれる。

講座を企画した同大の鈴木恵二教授は「IT業界のトップランナーを育てながら、業界全体の競争力強化も目指したい」と話す。

北大大学院は二〇○三年度から四年間、企業二十一社の資金協力を受け、「ITトップガン育成寄付講座」を開設した。