『朝日新聞』2007年1月25日付

LEC大に初の改善勧告 専任教員6割は勤務実態なし


法令違反の疑いが指摘されていた株式会社立大学の第1号「LEC東京リーガルマインド大学」(本部・東京都千代田区)について、文部科学省は25日、専任教員の約6割は勤務実態がなく、ビデオ授業も質疑がないと判断、学校教育法に基づき初の改善勧告を出した。違反ではないものの運動場が狭すぎ、同じグループの予備校と授業が分離されていないといった問題も指摘した。

文科省は改善措置について文書で30日以内に報告するよう要求。改善が見られない場合、学部の廃止も含めて「必要な措置を講じる」としている。LEC大は、構造改革特区制度を利用した初の株式会社立大学として、資格試験対策の予備校を経営する「東京リーガルマインド」(反町勝夫社長)が04年4月に開校した。3カ月という短期間の審査で設置が認可されており、特区制度のあり方や特区法の見直し論議にも影響を与えそうだ。

文科省によると、LEC大が専任教員としている173人のうち、勤務実態があるのは67人だけで、残りの106人は授業だけでなく大学の他の業務もしていなかった。勤務している67人についても、うち22人は報酬を受けていないなど専任教員と呼べるか疑わしいという。ビデオ授業も一方的で教員の指導がなく、文科省は専任教員の勤務実態との2点が大学設置基準に違反すると結論づけた。

法令違反ではないが、改善を求めたのは、運動場がテニスコート1面分程度しかなく、場所も学生に知らされていない▽大学と予備校の授業が完全には分離されていない、などの6項目。