『読売新聞』2007年1月25日付

三菱UFJ、山梨大の特許権を信託管理…初ケース


三菱UFJ信託銀行は24日、山梨大(甲府市)が持つ特許権を信託財産として管理する契約を結ぶことを明らかにした。

山梨大が保有する燃料電池に関連する特許を管理し、活用したい民間企業に橋渡しする。大学が持つ特許を信託銀行が受託するのは、全国で初のケースとなる。

2004年4月に独立法人となった国立大は、研究成果を収入に結びつける必要性が高まっているが、特許の利用先を独自で探し出すのは難しい。山梨大は、三菱UFJ信託の総合力を活用することで、特許を有力な収益源にできると判断した。

三菱UFJ信託は、特許の利用を希望する企業を探し、使用契約を結ぶ。特許使用料は三菱UFJ信託に入り、それを原資に山梨大に配当が支払われる仕組みだ。将来的には、受託した特許権を証券化し、一般投資家に販売することも視野に入れている。

山梨大は燃料電池の研究では世界的に知られ、約50件の特許を持つ。三菱UFJ信託は、事業化が見込めそうな特許から順次受託。すでに、燃料電池による発電に必要な水素を、都市ガスなどから効率的に取り出す技術の特許は、大手触媒メーカー「ズードケミー触媒」(本社・東京)に提供する見通しとなっている。