『陸奥新報』2007年1月23日付

産官学金」連携 人材や資金など支援
あおもり型産業100社育成戦略 検討委、4機能の整備を


さまざまな分野に意欲を持って挑戦する本県企業の支援を徹底、加速させるための総合的、具体的な指針となる「あおもり型産業100社」育成戦略が22日、まとまった。戦略では、金融機関を含む「産学官金」が連携し、起業や新たな分野進出を支援するため、(1)サポートエンジン機能の整備(2)リスクマネー(企業への投資)供給体制の整備(3)販路開拓支援機能の強化(4)人材の確保・育成の仕組みづくり―の4つの機能を整備することにより、医療・健康福祉など「あおもり型産業」育成につなげるとしている。県は戦略に基づく施策を展開する方針で、ベンチャー企業などに対する支援環境が一層整うことになりそうだ。

戦略は同日、青森市内で開かれた検討委員会(委員長・今喜典青森公立大学教授)の第7回会合で最終取りまとめを行い、了承された。

戦略では4つの機能の在り方について説明している。「サポートエンジン機能の整備」では、産学官金連携で企業を成長させる態勢を推進するため、県の外郭団体・21あおもり産業総合支援センターを中核機関に企業の発掘や目利き、一貫支援を行うことを提言した。

「リスクマネー供給体制整備」は、資金調達が困難なベンチャー・中小企業に投資する、いわゆるリスクマネーの供給手段を確保し、密着型の経営支援を行う。

またリスクマネー供給手段として「地域ファンド」設立の必要性を示している。

「販路開拓支援機能の強化」は、市場ニーズの把握が容易でなく、販路開拓を進めるための情報入手や情報発信などが困難といった中小企業の課題を克服するために、国が来年度から創設する予定の制度を活用し、専門家による密着支援を行う。

「人材確保・育成の仕組みづくり」は、人材の誘致、活用、育成を念頭に団塊世代を巻き込み、首都圏に人材サポートセンターを整備すること、人材育成の研究会を開くことなどを提言している。

検討委は近く、戦略の内容を県に報告する。