『毎日新聞』2007年 1月22日付

秋田大:社会人特別枠、設置 「学び直し」の機会提供−−工学資源学部大学院 /秋田


秋田大は、3年以上の社会人経験者を受け入れる「再チャレンジ支援特別選抜」を来年度から大学院工学資源学研究科に新設する。社会人の「学び直し」の機会提供を目的に、環境問題を専門に研究する「環境リスクコミュニケーター養成コース」と機械工学や3次元デジタル設計の技術者を養成する「テクノマイスター養成コース」の2コースで5人ずつを募集する。選考は書類審査と面接のみで、授業料の全額か半額を免除する。授業料減免制度がある社会人特別枠は同大では初めて。出願期間は3月1〜7日。

社会人の再就学を支援する目的で、文部科学省が来年度から国立大学に助成する「再チャレンジ支援経費」の一環で、来年度から国立76大学で同様の枠が新設される。

出願できるのは、今年度末に23歳以上で、3年以上の社会人経験者。主婦や家事手伝いなども含む。大学卒業は必須ではないが、「大学を卒業した者と同等以上の学力」を要件とし、大学未卒業者には事前審査がある。

環境リスクコミュニケーター養成コースは、地球環境、資源エネルギー問題の観点から、地域の環境保全に関する危険分析や助言ができる人材を目指す。テクノマイスター養成コースは機械工学の知識だけでなく、実習などを通して高い指導力を持った技術者を育成する。

両コースとも修了者には修士学位が授与される。同大は「コースは各種資格取得にもつながる。定年退職した人にも興味を持ってほしい」としている。

面接は3月14日。合格者の面接結果や経済状況によって、授業料(年額53万5800円)の半額か全額を免除する。問い合わせは秋田大工学資源学部大学院係018・889・2316。【津村豊和】