『読売新聞』2007年1月22日付

弘前大医学部、地域実習義務に(青森)


弘前大学医学部医学科は19日、6年生を対象に2007年度から、これまでは選択制だった「地域医療実習」を義務化すると発表した。県内自治体病院11施設が受け入れる。関係者は、地域医療の現場を学生に知ってもらうことで、医師の県内定着につながることを期待している。

記者会見した佐藤敬医学部長らによると、この実習は、患者に接しながら学ぶ「診療参加型」で実施。学生は受け入れ病院の診療チームの一員となり、現場の医師らスタッフとともに病棟や外来の業務にあたるほか、巡回や在宅医療も学ぶ。

また、従来の実習は受け入れ先が総合病院に偏りがちだったが、設備や人員が必ずしも十分ではな地域の自治体病院の実情を知ってもらうことにした。これまでの選択制では、昨年実習を受けた36人のうち、22人が総合病院を希望。地域の医療機関で実習したのは14人にとどまったという。

実習は4〜7月に4週間の日程で実施する。同大によると、地域医療実習は各地の医学部でも実施しているが、学生全員に義務づけて4週間も実施するのは珍しいという。

佐藤学部長は「従来の学部教育では、現場を知る機会が少なかった。(義務化は)あるべき取り組みだと思う」と話している。