『日本経済新聞』2007年1月17日付

広島で大学と企業・自治体の連携相次ぐ


広島で大学と企業・自治体の連携が相次いでいる。広島市立大学と競技用ボール製造のミカサ(広島市)が2月からデザインを共同研究するほか、県立広島大学は16日に安芸高田市と包括提携。広島大学は複数の医療機関と相互提携した。「大学全入時代」を迎え、提携で基盤を強化する狙いだ。個別研究中心から、連携の分野や規模が拡大している。

市立大芸術学部はミカサのブランド強化や企業イメージ向上を共同研究する。ミカサは社内に広報と市場調査のプロジェクトチームを設置。35歳以下の若手社員を中心に、それぞれ15人で構成する。

視覚造形が専門の及川久男教授が毎月、社内で芸術や文化教養の社員向け講座を開く。両プロジェクトチームもデンマークや国内のデザイン会社と提携し、情報発信の手法や効果を研究する。

ミカサはバレーやサッカーなどのボールを製造しているが、外資や国内大手との競争が激化している。「デザイン開発や消費者への感性に訴えるマーケティングを強化したい」(管理部)と期待している。