『毎日新聞』和歌山版2007年1月16日付

和歌山大:メンタルサポート室、本格スタート 新学期までにより充実


◇精神科医ら常駐−−家族の相談も受け付け

和歌山大学(和歌山市栄谷、小田章学長)で新年の授業開始の15日、精神的な悩みを抱える学生が勉学に取り組めるよう、医師や臨床心理士が専門的にケアをする「メンタルサポート室」が本格的にスタートした。同大保健管理センター所長の宮西照夫教授(精神医学)は「新入生が来る4月までに、態勢をより充実させていきたい」と話している。

引きこもりの学生などを対象に、専門スタッフを配置した組織は全国的にも珍しく、他大学から視察の申し込みもある。学校になじめず不登校になったりし、学業に支障をきたす事例が同大の学生でも全約4000人のうち、80人程度という。

常勤で精神科医1人、看護師2人、非常勤で精神科医1人、臨床心理士3人、精神保健福祉士1人を配置。引きこもりを克服した先輩学生がボランティアのサポーターとして加わる。この日、スタッフらの会議があり、今後の方針などを話し合った。

症状ごとに集団療法などを行うほか、予約制で家族や学外からも相談を受け付ける。東京など、県外からも相談があるという。サポート室は県とも連携し、引きこもり対応拠点としての役割も担う。【最上聡】