『福井新聞』2007年1月11日付

県内、産学官連携進む ”福井方式”高い評価


県がまとめた二○○六年度上半期の県内の産学官連携の状況は、大学、高専と企業の共同研究が二百四十件、県の機関との共同研究に新たに参加した企業は七十五社で、それぞれ県産力戦略本部が掲げる目標を大きく上回った。大学とふくい産業支援センターが緊密に連携し、責任企業を決めて事業化まで着実につなげる”福井方式”は国の評価も高く、大型プロジェクトでの採択が多いのが特徴だ。

県が設けている産力戦略本部は、○三年度に百七十九件だった産学共同研究を、○六年度には三割増の二百三十三件まで押し上げる目標を掲げている。○四年度は二百四十八件、○五年度三百二十七件と年次目標を上回るペースで増え、○六年度は九月までの上半期だけで二百四十件。年度全体でも三百件前後まで増える見通しだ。

大幅増の背景には、自らを「地域での研究開発の中核」と位置づける福井大が独立行政法人化を機に取り組みをより強化したことがある。また、福井高専は伝統産業支援室、地場産業支援室を設置。和紙を製造する際に増粘剤として使われるトロロアオイの保存剤の劣化緩和を県和紙工業協同組合と研究するなどしている。

一方、県の機関と企業との共同研究は、○六年度上半期に新たに七十五社が参加した。○三年度の五十一社から毎年数字を伸ばし、三年半の累計では二百六十六社。一九九九年度から○二年度までの四年間で六十六社だったのに対し、倍増の目標を大きく上回った。