『陸奥新報』2007年1月11日付

付属小・中に共同体育館/弘大学長定例会見
大学院を部局化、教員組織を改革


弘前大学の遠藤正彦学長は10日、2007年最初の定例記者会見に臨み、前年度比増となった来年度運営費交付金内示額のほか、主な取り組みとして大学院の部局化による教員組織改革、予定事業として付属小・中学校共同の2階建て屋内運動場新築など施設整備を挙げ、「希望の持てる年になる」と述べた。

来年度の運営費交付金内示額は117億7953万3千円で、前年度比5・4%増。

新規として、大学院保健学研究科保健学専攻(博士課程)の新設が決まったことで、来年度から博士課程大学院を持つ医学部と理工学部でも大学院の部局化を行うことを決めた。

弘大では、これまで五学部と大学院地域社会研究科の六部局に教員が所属。3研究科の部局化により、教員は学部からそれぞれの研究科に移行。これまでの医学部保健学科は、保健学研究科と独立した教員組織となる。これにより、人文、教育、農学生命科学の3学部と医学研究科、保健学研究科、理工学研究科、地域社会研究科の4研究科の7部局制となる。

このほか、人件費抑制策として、機構業務の改善や事務系職員の大幅配置転換を実施する。

施設整備の予定事業は、国の06年度補正予算案で耐震対策費1208億円に、付属小学校と人文学部棟の全面改修、付属小・中学校共同の屋内運動場新築など弘大分32億円の整備事業が盛り込まれた。予算が成立すれば、付属小学校(1965年度完成)と人文学部棟(70年度完成)は、約40年ぶりの全面改修となる。

屋内運動場は、両校間のグラウンド側に2階建て延べ面積2210平方メートルで新築し、07年度末の完成を見込む。現在、付属小・中学校で2棟ある体育館は取り壊す。ほかに医学部実習棟や総合教育棟の全面改修、付属幼稚園の遊戯室、付属養護学校第1体育館の耐震改修などが盛り込まれている。